土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
四国・紀伊半島沖における台風通過に伴う黒潮の流動構造変化について
多田 拓晃内山 雄介
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 72 巻 2 号 p. I_457-I_462

詳細
抄録

 バルク法熱収支スキームと海面気圧による吸い上げ効果を組み込んだJCOPE2-ROMSダウンスケーリング領域海洋モデルと気象庁GPV-MSM再解析値を用いて,我が国に上陸し甚大な土砂災害等をもたらした2014年台風18号,19号に伴う海洋応答に関する広域高解像度再解析を行った.台風通過に伴い,台風経路右側で慣性周期帯を主要な構成成分とする渦運動エネルギーが広範囲に発達したことを確認したのち,四国・紀伊半島沖を東進する黒潮に対する台風の影響を検討した.台風通過後に土佐湾特有の地形によって生じるメソスケールの後流渦が約3日周期で黒潮流軸を変動させていることを示すとともに,黒潮の流路変動に伴って紀伊水道へ流入する黒潮暖水塊の波及効果を通過熱フラックスを用いて評価した.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top