2016 年 72 巻 2 号 p. I_613-I_618
本研究は,青森県から千葉県を対象に,2011年東北地方太平洋沖地震津波による河口砂州の侵食実態を分析した.河口砂州の侵食面積と越流水深の関係を算定した結果,越流水深が概ね2 m程度を上回れば河口砂州が顕著に侵食する傾向が確認できた.また,阿武隈川河口周辺を対象として,2011年東北地方太平洋沖地震津波による地形変化の再現計算を行い,河口域・海岸域における津波移動床計算の適用性を検討した.その結果,飽和浮遊砂濃度を一定値と流況による可変の方法から求めた値の大きい方を採用した場合が,河口砂州周辺の地形変化を良く再現できた.