土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
自走式造波水路で任意の水位上昇を実現するための理論モデルの構築
臼井 彰宏青木 伸一川崎 浩司鈴木 智浩
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_1-I_6

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抄録

 東北地方太平洋沖地震以降,津波に対して粘り強い海岸・港湾構造物の開発・研究が行われているが,その効果については実験的に検討する必要がある.このような検討に際し,著者らが提案した自走式造波装置によって任意波形の津波造波が可能であることが分かったが,造波水槽が十分に長くない場合には,構造物-造波板間での多重反射が起こることを考慮していなかった.そこで,本研究では,構造物-造波板間の多重反射を考慮した任意水位上昇及び任意波形の波の造波の理論構築及び目標波形との比較を行った.理論の検証には,体積力型IB法を導入したCADMAS-SURF/3Dを用いた.その結果,波形変形,平均水深変化の考慮,造波板位置の変化,構造物からの反射波と造波板との相互作用を考慮することにより,目標波形に近い波形が造波できることが分かった.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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