2017 年 73 巻 2 号 p. I_1501-I_1506
本研究では,津波シミュレーションを用いて,あらかじめ比較的大きな複数の規模の津波の波源を用いて津波の浸水を計算することで,避難経路上の津波危険度を算定し,津波に遭遇しない避難経路を選択する避難行動をマルチエージェントシミュレーションに組み込んだ.最も近い避難所まで最短距離となる経路を避難経路とし,危険度を元に避難行動中に津波に遭遇する可能性がある場合,別の津波に遭遇しない避難所へ最短経路に変更し,避難行動中に津波に遭遇しない経路を選択する手法を確立した.この手法を用いてある地域を対象にシミュレーションし,死亡率が低減されることを確認した.