2017 年 73 巻 2 号 p. I_325-I_330
本研究では,津波の波源から構造物の倒壊・破壊まで一連の計算を行うため,5つの異なるシミュレーションを連成させた仕組みを構築した.具体的には,津波の波源から伝播までは,静水圧を仮定した準三次元モデル(STOC-ML)を用い,それと海表面をVOF法で計算する単相のNavier-Stokes方程式(CADMAS-SURF/3D)を接続させ,さらに,気相の影響を考慮するため,単相のVOF法から気液2相のVOF法(CADMAS-2F)へ接続し,最後にFEMで計算される構造・地盤計算(STR)へ接続した.その妥当性の検証を既存の実験と比較を行ったところ,良好に一致する結果が得られ,さらに,実際の港湾に近いモデルで検討し,防波堤の滑動を確認し,本計算手法の妥当性を確認した.