土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
建物や捕捉工などの影響を考慮した津波漂流物解析モデルの開発
野島 和也桜庭 雅明小園 裕司
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_343-I_348

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抄録

 2011年の東北地方太平洋沖地震では,津波に伴い多くの種類の漂流物が発生した.漂流物は衝突や滞留に伴う被害拡大の要因となり,津波の浸水範囲と合わせて被害の推定が必要である.本研究では,津波の浸水予測を行う方法を拡張して複数の種類の漂流物の移動を推定する数値シミュレーションモデルを開発した.本研究で開発したモデルは,様々な状況における力学的な挙動を従来の津波シミュレーションを拡張したモデルとして考慮が可能なものとなっている.適用例として,建物周辺の漂流物の挙動解析を行い,既往の実験結果の整合性を評価した.また,多種多数の漂流物を対象とした遡上域,建物および津波捕捉工などの影響を含めた解析を行った.これらの結果より,様々な物理機構を踏まえた漂流物挙動が従来の津波解析の拡張として算定できるものとした.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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