2017 年 73 巻 2 号 p. I_43-I_48
沖縄諸島や太平洋諸島周辺のリーフ地形において,台風の接近・通過に伴う高潮・高波による越波災害を受けることがあり,リーフ海域特有の波浪変形特性が発災要因であることが指摘されている.そのため,リーフ海岸に護岸等の越波対策工を計画・設計する際には,リーフ上での波浪変形特性を十分に把握しておく必要がある.本研究では,リーフ地形を対象に,強非線形ブシネスクモデルを用いて波浪変形計算を行い,従来の波高変化算定式を参照しつつ,新たな算定式を提案するものであり,リーフ地形の特性を考慮した係数の算定方法により,任意の地形でも使用可能な算定式とした.本研究による提案式は,既往研究の算定式に比べて,リーフ岸沖方向の波浪変化をよく再現できた.特に,波高が大きいときの推算精度が高く,設計波高の推算に用いる際の有用性を示すことができた.