2017 年 73 巻 2 号 p. I_637-I_642
従来は,航路埋没を予測する際,漂砂外力としての流れは海浜流のみを考慮することが多い.大水深域では航路が砕波帯外であるため,弱い海浜流しか発生せず,吹送流も考慮する必要がある.しかし,大水深域の吹送流を考慮した予測手法は確立されていないのが現状である.流動の観測結果と海浜流および吹送流の計算値を比較し,大水深における流動の発生機構を明らかにした.次に,高波浪時の海浜流と吹送流それぞれの経時変化を考慮した地形変化予測法により,地形変化の再現性を高めた.また,将来予測の外力として低気圧発生パターンより7つのモデルを作成し,将来の地形変化をほぼ再現できる手法を提案した.