2018 年 74 巻 2 号 p. I_1285-I_1290
構造物に作用する海水飛沫量の違いを時間・空間的に予測することは,構造物の塩害劣化の予測精度の向上に直接つながるため重要である.本研究では,海岸近傍の気象・波浪作用と海水飛沫量の時間・空間的な変動を予測できる方法を確立するために,構造物周辺において2時間間隔の気象作用と海水飛沫量の現地観測を実施した.さらに,風況・波浪と海水飛沫量を予測できる3次元数値モデルを用いて,気象・波浪・海水飛沫量の時間・空間的な分布の予測を行い,その結果について妥当性の検証を行った.その結果,気象・波浪作用に応じた海水飛沫量の時間・空間的な変動を確認でき,海水飛沫量が風速・風向と波浪条件に影響されていること,数値解析により構造物周辺の気象・波浪作用と海水飛沫量の時間・空間的な変動を予測できることが明らかになった.