土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
再生資源の干潟基盤材への適用と生態系機能の定量的評価
三戸 勇吾遠藤 敏雄家島 修化生 順一郎萩野 裕朗菅野 孝則栗栖 一之中本 健二中村 由行日比野 忠史岡田 知也
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2018 年 74 巻 2 号 p. I_1297-I_1302

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抄録

 本研究では,フェロニッケルスラグ(FNS)と石炭灰造粒物(GCA)を干潟基盤材へ適用した現地試験を実施し,その生態系機能を定量的に評価した.現地試験結果より,FNSは砂に近い底質や生物相が確認されたのに対して,GCAは間隙水中の溶存硫化物濃度の低下や生物相の変化等,砂と異なる結果が得られた.次に,干潟基盤材から得られる7つの生態系機能を定義し,各生態系機能の最良な状態を100点として規格化することで,生態系機能の定量化を行った.さらに,7つの生態系機能の得点それぞれに対して,生態系機能の変動要因と基盤の種類(砂,FNS,GCA)を説明変数に組み込んだ階層ベイズモデルを構築し,MCMC法により係数の推定を行った.解析により得られたFNSとGCAに対する係数とその信用区画から,砂に対するFNSとGCAの生態系機能の差を定量的に評価した.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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