2018 年 74 巻 2 号 p. I_1387-I_1392
津軽海峡における小規模潮海流発電の実現可能性を探るにあたり,津軽海峡の流れ特性に適したディフューザの最適形状を検討する初段階として,3種のディフューザ模型を用いた鉛直2次元場での定常循環流実験を実施し,ディフューザ形状による周辺の流況特性及び通過する流れの増速効果を把握した.また,実験で検討した2次元断面でのディフューザを3次元形状に拡張した数値シミュレーションを実施し,ディフューザ周りの流れ特性と内部流速の増速メカニズムの関係について考察した.その結果,つば付き漸拡ディフューザは,つば背後の円周方向に間欠的に放出される渦輪を流下方向の渦度が巻き取るように移流することで,ディフューザ内部の負圧領域が更に流下方向まで維持され,安定したジェットが下流方向へ形成されることにより,漸縮部流速の増速効果を向上させていることを示した.