2018 年 74 巻 2 号 p. I_139-I_144
底面の変動により津波を生成させる装置を有する水槽を用いて,空間的に不連続に底面が一定速度で隆起,または,沈降する場合の,鉛直断面内における津波の生成過程を対象とした水理実験を行なった.本水槽は,外水槽と内水槽の2重構造を有する.そして,水面変動に関して,これらの水理実験による結果と,非線形浅水モデルを適用した数値解析による結果を比較した.各地点における最大水位の静水位からの高さである津波高さは,底面の隆起量,隆起速度,または,隆起幅が大きいほど,そして,静水深が浅いほど,大きくなった.また,特に,静水深が浅く,隆起速度が大きい場合に,水面変動の水理実験結果は,比較的大きな速度の水面上昇と,短周期の振動を示したが,非線形浅水モデルによる数値解析結果では,こうした速度や振動が再現されなかった.