土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
河口水門の津波減勢工としての流起式可動防波堤の活用に関する模型実験
小野 秀平平石 哲也東 良慶半田 英明伊藤 忠男
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2018 年 74 巻 2 号 p. I_217-I_222

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抄録

 地震によって発生した津波による被害は港湾域や沿岸域のみならず,津波が河川を遡上することによって内陸深くまで浸水被害が及ぶことがある.津波の河川遡上を防ぐためには本来高潮防災用として作られた河口部の水門を閉鎖することが有効である.しかし,津波の波力が大きい場合には水門そのものが被害を受けて浸水を許したり,開閉機能をなくす恐れがある.そこで,津波の力を減勢させるために常時は海底に倒伏している流起式可動防波堤の活用を提案する.ここでは,老朽化のために予想される津波作用波力に対して安定性が保持できないバイザーゲート型河口水門を対象に流起式可動防波堤による津波減勢効果を1/33縮尺の模型実験で検討した.その結果,防波堤から水門までの距離が大きいほど減勢効果が高くなること等を明らかにし,実験結果を近似する実験式を提案できた.

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