2018 年 74 巻 2 号 p. I_265-I_270
津波荷重評価の高度化を目指して,土砂水と清水を用いた水理実験に基づき,RC造建築物に作用する津波荷重(水平力と鉛直力)の氾濫水密度への依存を検討している.土砂水による実験と両水による実験結果の比較・検討法が限られているが,RC造建築物に作用する津波荷重が氾濫水密度に依存することを実証し,建築物前面浸水深や前面浸水深係数(前面浸水深/入射氾濫水深)が同じ場合,水平力は土砂水によるものが清水によるものより顕著に大きく,氾濫水密度が大きい程大きいこと,鉛直力は建築物周りの土砂堆積の影響を受け,清水によるものが土砂水によるものより大きくなり得ることを明らかにしている.