2018 年 74 巻 2 号 p. I_373-I_378
遡上する津波による漂流物が陸上に設置された機器類に衝突する際の挙動の把握を目的に,水理模型実験を行った.被衝突体前面には反射波が生じるため,漂流物速度は津波流速よりも減速し,反射波長さよりも漂流物が短い条件では,衝突しない漂流物が発生することを確認した.浮体の衝突現象においても加速度が発生する際には付加質量の考慮が必要であり,既往の付加質量を用いた評価方法を適用できる見込みを得た.また,衝突に関わる物体の構造等から算出した有効剛性を用い,衝突時の変形形態を弾性変形と想定することで,提案する荷重推定式で合理的な予測衝突力を算出できた.