2018 年 74 巻 2 号 p. I_481-I_486
現代では減災の対象とする津波は極低頻度の巨大なものになっている.国民の命を守ることは重要であるが,備える程度を含め効率化の検討も必要と考えられる.人々の生命に対する許容リスクは一般に10-5(/年)がボーダーラインと言われている.これより高い確率の津波災害に対して命を守る施策を行うための基本的な方法を検討したものが本研究である.津波浸水確率にロジックツリー手法を用い,確率的な津波の浸水深とその到達時間をもとに、避難シミュレーションと同期させ生存確率を示した.目標の生存確率に到達するために本研究では避難タワーの建設を施策として再評価を行い,方法論の有用性を示した.