2019 年 75 巻 2 号 p. I_1069-I_1074
東京湾奥部に位置する谷津干潟は,さまざまな渡り鳥が飛来することからラムサール条約登録湿地となっているが,1995年からアオサの異常繁殖であるグリーンタイドの発生が問題となっていた.しかし,2017年に突然グリーンタイドが消滅し,翌2018年にも消滅が継続した.本研究では,谷津干潟におけるグリーンタイドの消滅原因について現地観測データをもとに検討した.その結果,2017年は赤潮・青潮による照度不足により,2018年は高水温によりそれぞれグリーンタイドが消滅した原因であることが示唆された.