2019 年 75 巻 2 号 p. I_127-I_132
富山湾沿岸に来襲する寄り回り波を予測するニューラルネットワーク(NN)モデルを構築し,2008年2月以降に発生した5m以上の高波を予測対象として精度検証と感度解析を行った.解析結果より入出力関係の影響度を定量的に評価した.3種類の感度解析手法を用いて,極端現象の予測を行う大規模ネットワークでの感度解析の適用性を検討した.解析の結果,感度解析は時系列を考慮できる手法が適切であることを示し,爆弾低気圧の経路に応じてNNの最適な学習条件と入出力関係の影響度が異なり,日本海周辺や日本列島上で発達する経路と太平洋海上で発達する経路でモデルの構成を変えて学習する必要であることが明らかになった.