土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
短波海洋レーダによる津波検知性能の季節変化
尾方 浩平小田切 祐樹藤 良太郎日向 博文
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_1309-I_1314

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抄録

 短波海洋レーダによる津波検知性能の季節変化について,和歌山県美浜局の2014年の受信波と南海トラフ地震津波ケース3の数値シミュレーション結果を使った仮想津波観測実験に基づいて調べた.その結果,陸棚上では低波浪(Hs ≤ 1m,及びHs ≤ 2m)の出現割合に依らずいずれの月も高確率で検知可能であること,陸棚縁〜陸棚斜面上での検知確率と有義波高1m以下の割合,及び陸棚縁と有義波高2m以下の割合には,高い正の相関が認められ,遠距離での検知には低波浪の状態が好ましいことが確認できた.一方,陸棚斜面上での検知確率と2m以下の有義波高との関係には高い相関が認められなかった.その要因として,電離層電子密度の季節変動によって外来ノイズの伝搬経路が変化することが考えられた.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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