2019 年 75 巻 2 号 p. I_193-I_198
近年では地球温暖化の影響による局地的な集中豪雨などの異常気象の増加に伴い,波高の増加や渇水を引き起こすと予想されており,河口地形変化による塩害の発生が危惧されている.特に,日本海側に面する河川では季節的な変動を繰り返しており,塩水侵入現象にも大きな影響を与えている.そのため,河口水理特性について把握することは非常に重要である.
本研究では砂州の伸長が顕著である米代川を対象とし,現地観測,データ解析から河口水理特性についての検討を行った.その結果,河口幅の変化量ΔBと最大流量Q,最大波高Hの関係からΔBは,最大で約20m以上,前の週から砂州が大きくなり,閉塞する場合には約10m程度の河口閉塞が生じていることが分かった.また,変化率αから米代川では河川流量が500m3/s以下での河口幅の変動が多いことが明らかとなった.