土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
2018年夏期に観測された台風に伴う高波浪について
馬場 康之久保 輝広森 信人渡部 靖憲山田 朋人猿渡 亜由未大塚 淳一内山 雄介二宮 順一
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 75 巻 2 号 p. I_271-I_276

詳細
抄録

 2018年8月後半から9月にかけて,四国から紀伊半島付近に3個の台風(20号,21号,24号)が接近した.和歌山県田辺湾の湾口に位置する田辺中島高潮観測塔では,台風21号,24号の接近時に高波浪が観測され,海面上10mに設置された計測機器が被災するなどした.台風21号接近時には有義波高は最大9.60m,24号の際には波高計が被災したため台風通過後のデータが欠測となったが,台風接近前の最大値は11.09mに達した.いずれの場合も高波浪となった期間の前半はうねり成分が卓越し,観測塔付近の風向が190度を超えて吹送距離が長くなった後には風波成分が発達し,風波成分とうねり成分が重畳して高波浪状態が継続される状況が確認された.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top