2019 年 75 巻 2 号 p. I_331-I_336
陸上・海底地すべり津波の3次元数値解析手法としてオープンソース流体解析ソフトウェアOpenFOAMによる多相流解析手法を適用し,水理模型実験結果を検証データにその適用性を検討した.平面水槽を用いた水理模型実験の再現計算の結果,時間波形が良好に再現された.また海底地すべりケースでは陸側へ伝播する津波に短周期水面変動が現れ,その再現には計算格子サイズを適切に設定する必要があることを明らかにした.地すべり体の挙動は,移動初期の厚みは整合するものの,実験では計算に比べ地すべり体が斜面流下に伴い地すべり体流下方向の直交方向に広がる傾向が認められ,断面2次元水路ではなく,平面水槽によって計算手法の再現性検討を行ったことによって,地すべり体の流下形状,堆積範囲の再現性の課題を抽出することができた.