土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
日本周辺の極端波浪の統計的特性と気象・地形要因の関係
千綿 蒔志村 智也二宮 順一森 信人
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_97-I_102

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抄録

 波浪に対する極値統計解析は,海岸構造物の設計条件の決定に用いられ,工学的に非常に重要である.その際,波浪を引き起こす気象擾乱の種類で区別しない.異なる気象擾乱によって極値分布の標本が構成されている場合,擾乱ごとに年々変動が異なるため,外力に依存した極値分布の不確実性が内在する.また,温暖化に伴う気候変動の影響では,台風と低気圧で将来変化は異なることも考えられ,極値統計解析の際に極端波浪をもたらす気象擾乱は考慮すべきである.本研究では,長期の波浪推算結果と台風及び爆弾低気圧データをもとに,気象擾乱別に年最大波高の極値統計解析を行うことで,極端波浪の統計的特性とその気象要因を把握した.また,1kmスケールの波浪推算による湾スケールでの極値統計解析により,地形要因の寄与についても検討を行った.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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