土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
高潮発生時の越波・越流による護岸通過流量に関する研究
千綿 蒔羽角 華奈子織田 幸伸伊藤 一教
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_109-I_114

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抄録

 数値流体解析ツールOpenFOAMを用いて,高潮発生時の越波・越流による護岸通過流量に関する検討を行った.まず,越波から越流に遷移または同時生起する状況を模した数値実験を行い,越波と越流を同時に考慮した場合の護岸通過流量の推定手法を検討した.その結果,既往モデルは概ね妥当であるが,護岸前面水深が小さい場合,計算の妥当性に注意が必要であることを示した.また,高潮によって海面が護岸高を超え越流が発生した場合,越流公式によって流入量が算定されることになるが,実際には波浪の影響で陸域の浸水位が海水面を超える可能性があり,現状ではこうした状況を評価することができない.越流と高波浪が同時に生起する状況を想定した数値実験を行い,海域のラディエーションストレスによって陸域の浸水位を求める算定式を提案した.

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