土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
台風Haiyanの高解像度計算における海洋・波浪の感度
二宮 順一竹見 哲也森 信人
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_175-I_180

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抄録

 北西太平洋の歴史的イベントとなったスーパー台風Haiyanを対象に,高解像度大気海洋波浪結合モデルCOAWSTを用いた海面抵抗係数𝐶dと海洋表層混合層に関する数値実験を行った.海面抵抗推算式として風速依存のCharnock式,波形勾配依存のTaylor and Yelland式と高風速の𝐶dの飽和上限値を設定した数値実験,海洋表層混合層として平年及び標準偏差分のばらつきを設定した実験を行った.飽和上限値の有無は海面抵抗係数推算式の違いに比べて,台風に対して大きな影響を及ぼした.飽和上限値無しの波形勾配依存式は最もBest Trackに近い結果を推定し,特に急発達を良く表現していた.海洋混合層の厚さは標準偏差分の差によって台風強度は約5hPa変化した.台風通過による水温構造の変化は,混合層厚さに依らず,表層と混合層底部付近の2層で異なる変動を示した.

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