土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
WRFを用いた高潮・波浪予測計算の計算時間及び予測精度についての検討
白井 知輝藤原 和弘渡部 真史有川 太郎
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_247-I_252

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抄録

 本研究では,2019年台風19号を対象にWRFを用いた予測計算を行い,台風予測結果を外力として高潮・波浪推算を行った.台風19号においては,台風が日本の直近の海岸線から900~1000kmの距離に到達してから予測を開始した場合,上陸前後での台風経路と台風強度を概ね再現できた.台風予測精度が高いケースでは波浪予測精度も高くなり,妥当な予測結果を得た.高潮も同様の傾向が見られたが,ピーク値は過小評価となった.台風・高潮・波浪予測において,計算時間やコストの制約の中で,可能な限り予測精度が高くなる計算条件の設定は重要であるが,その視点から検討を行った事例は少なく,今後多くの事例の蓄積により計算条件の一般化が望まれる.本研究は,計算条件設定の一般化に向けた,1つの事例蓄積としての位置づけにある.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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