2020 年 76 巻 2 号 p. I_361-I_366
確率津波シミュレーションを行う際には,津波を引き起こす地震を十分な数で生成する必要がある.なぜなら,シミュレーション結果を用いて,防潮堤の設計や津波減災計画のために必要となる来襲頻度を評価したいためである.したがって,確率津波シミュレーションは,想定する母集団から,質的にも量的にも的確にサンプリングされているか検討されるべきである.本研究では,確率津波シミュレーションのサンプルサイズを算定する方法を示すとともに,より実用的には,ロジックツリーに確率津波シミュレーションの結果を組み込む時に,このようなサンプリングの問題として,どのような検討が必要となるか,それらの検討手法を示す.