2021 年 77 巻 2 号 p. I_1105-I_1110
砂浜の粒度分布について高頻度・高密度・広域・長期間のモニタリングを行うために,ふるい分析に代わる手法として底質画像に対する自己相関関数に基づく画像解析法の構築を目指している.その前段階として砂浜特性が計測精度に及ぼす影響を把握するために,133の砂浜海岸を対象に現地調査を行うとともに,サンプルを採取して画像解析を行った.中央粒径が2mmまでの範囲では中央粒径の測定精度はふるい分析と同等であることが示された.一方で細粒分が多い底質やグレイスケール画像のコントラストが小さい場合には精度の低下傾向が見られた.将来の海面水位が上昇した場合の汀線後退量について,ふるい分析結果に基づく場合と比較すると20m程度までの後退量である海岸では画像解析法においても同等の評価が可能であることを示した.