2021 年 77 巻 2 号 p. I_223-I_228
津波のような低頻度な外力による浸水被害の合理的な検討は,確率的津波ハザードによる浸水深などを算定することが不可欠であるが,未だ確立されていない.その実現には,防護施設の影響の与え方に対して多数の場合分けによる複雑な計算を処理することが鍵となる.本研究では,堤防のフラジリティモデルを用いることで津波の浸水確率がどのように変化するのかを調べた.coRaL法を用いて浸水深の超過確率を求め,異なる2つの地形に適用した.その結果,フラジリティモデルによる浸水は,越流後倒壊と,越流しても破堤しないケースとの間であることがわかり,妥当な結果であることがわかった.今後,フラジリティカーブそのものを変えたり,多くの地域で検討したりすることで,フラジリティモデルの浸水の特徴をより定量化でき,実用的に浸水確率が評価できるようになると期待される.