土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
橋台背面盛土と基礎地盤の侵食が橋桁への作用津波力とその評価式に与える影響
中村 友昭熊澤 諒大趙 容桓水谷 法美
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 2 号 p. I_223-I_228

詳細
抄録

 津波による橋台背面盛土の侵食と橋桁の流失の同時生起時を想定した検討に向けて,本研究では橋台背面盛土と固定した状態の桁に津波を作用させる数値実験を実施し,桁への作用津波力とその評価式に与える盛土侵食の影響を検討した.その結果,盛土や桁下に侵食が生じる条件では,桁に作用する水平力の増加と鉛直力の低下が小さくなることを確認した.これは桁に作用する静止摩擦力の低下を示していることから,桁の移動限界を評価する際に地形の変化を考慮することの重要性を示した.また,桁に作用する鉛直力は通過波から求められるダウンフォースと浮力の和で概ね評価できるが,桁が完全には没水していない場合や桁下に侵食が生じる場合にはダウンフォースの成分を過大評価する傾向があることから,それらを考慮して評価を行うことの重要性を示した.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top