土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
アマモ場に関する津波被害予測の有用性
木村 裕行Anawat SUPPASRI今村 文彦高橋 宏樹
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_859-I_864

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抄録

 宮城県万石浦のアマモ場の2011年東北津波による被害を対象として,ワイブル分布への回帰分析により津波最大流速及び地形変化量(最大堆積厚,最大侵食深)を用いたアマモ場の津波被害関数を構築した.三重県英虞湾を対象に,津波土砂移動数値計算から南海トラフ巨大地震津波による津波外力を推定し,構築した津波被害関数を適用してアマモ場の被害率を推定した.その結果,アマモ場の推定被害率は広い範囲で0.8以上に及んだが,津波外力の影響が小さくなった入り江周辺では部分的に0.4以下となった.アマモ場の被害予測情報は,推定被害率が小さいアマモ場で残存する株や残存株から生産される種子を再生資源とした戦略的な対策の選択も可能にさせるため,アマモ場の再生対策に有益な情報となり得ることが確認された.

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