本州沿岸域を対象とし,地殻変動成分を除いた海水位変動(海洋起源の海水位変動)を過去約30年間の検潮記録から抽出し,海面水温との関係を調べた。検潮記録から地殻変動の影響を除くため,国土地理院の昭和44年度から平成10年度までの比高データを利用した。日本水準原点が不動であるとの仮定の下では,海洋起源の海水位変動の長期的傾向は,愛知県名古屋付近と石川県輪島付近を結ぶラインの東西で大きく異なり,東日本では,平均年間3.1mmの下降,西日本では,平均年間2.4mmの上昇傾向を示した。この変動傾向は,海面水温の変動傾向とよい一致を示した。この結果は,海面水温を指標とした海洋起源の海水位変動の予測可能性を示している。