海の研究
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定期船ADCPのsemi-regularサンプリングデータを用いて年周期変動成分を調和解析する際の問題点
黒田 寛磯田 豊
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13 巻 (2004) 2 号 p. 151-161

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抄録

定期船ADCP流速データの太陽時に同期した時間的に粗いsemi-regularサンプリングデータを用いて,K1,P1分潮流に関する調和解析を行う際の問題点を研究した。K1,P1分潮からは位相の異なる二つの疑似波動(エイリアシング)が生じ,それらの周期は,ともに365.24dで,Sa分潮と同じ周期となる。等間隔時系列の場合,このような複数の同じ周期をもつ彼の分離は不可能であるが,時系列がsemi-regular間隔の場合,上記3分潮のうちの任意の2分潮を分離することが可能となる。ただし,除外された残りの1分潮が,2分潮の調和解析を汚染することは避けられず,調和分解すべき2分潮の選択は重要である。そこで,P1分潮を除外し,SaとK1の2分潮による調和解析を行う必要がある。これら2分潮を選択することは,流れの季節変化が調和解析に与える影響をSa分潮に押し付け,比較的正しいK1分潮の調和定数を見積ることを可能にする。さらに,K1とP1分潮の平衡潮汐の振幅比から推定されるP1分潮の振幅と,K1分潮のみを除去した残差誠に含まれる年周期変動の振幅の大小関係から,P1分潮を除外して調和解析することの妥当性を検討することが可能となる。

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