化学工学論文集
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移動現象,流体力学,混合
界面活性剤による抵抗低減系における伝熱特性に対する円管内部形状の影響
岸本 章鈴木 洋薄井 洋基
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2001 年 27 巻 3 号 p. 347-351

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抄録
棒状ミセルを形成する陽イオン系界面活性剤水溶液は顕著な抵抗低減効果を示すと同時に,伝熱低減効果も発現することが知られている.本技術を地域冷暖房システムの熱媒へ適用することを考えた場合,冷凍機等の熱交換器部で熱交換量が大幅に低下することが予想される.
本報文は,地域冷暖房システムの冷凍機で実際に使用されている伝熱管を用いて,陽イオン系界面活性剤である塩化オレイルビスヒドロキシエチルメチルアンモニウムと対イオンとしてサリチル酸ナトリウムを添加した水溶液の基礎的な伝熱特性を評価した.検討した伝熱管は円管で管内面が平滑のものと螺旋状に溝加工があるものである.伝熱特性評価の結果,内面溝付管で溝ピッチが小さいものは実使用流速範囲で伝熱低下が発生しないことが分かった.また,界面活性剤の伝熱低下量は管内面の勇断速度で相関できることを示した.
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© 2001 公益社団法人 化学工学会
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