化学工学論文集
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特集[廃棄物工学]
循環型社会における有害物質の蓄積と浄化
那須 昭子行本 正雄石川 朝之大場 大司武田 邦彦
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2002 年 28 巻 5 号 p. 501-512

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抄録

循環型社会における有害物質を物質への混入と蓄積および除去について調査・研究を行った.有毒物質を生体への毒性物質として鉛,ヒ素などの元素系,変異原性などを示す化合物類,病原菌やプリオンに分類し,材料に対する劣化物質として金属,プラスチック,及びガラス類への影響の種類に分けた.循環実績のある鉄鋼,銅,使用中に毒性物質の発生がみられるプラスチック,および毒性物質を含む工業製品について有毒物質の蓄積状況とその影響について整理を行った.以上の結果,有毒物の蓄積と除去の状態によって循環形式に変化を生じること,使用中や回収過程で有毒物質が増加すること,過渡的および平衡状態における有毒物質の蓄積を検討し,循環率が100%の時は直線的に増加すること,循環率が低く除去プロセスが存在しないか,循環率が高く除去プロセスが存在する場合は循環型社会における有毒物の濃度は一定値に近づくことを示した.

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© 2002 公益社団法人 化学工学会
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