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化学工学論文集
Vol. 32 (2006) No. 1 P 6-10

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http://doi.org/10.1252/kakoronbunshu.32.6

[特集]化学工学における計算機化学の応用

生理活性物質の一つである糖のフェニルホウ酸と四級アンモニウム塩を用いた抽出分離に計算化学的手法を応用した.まず半経験的分子軌道計算に基づきフェニルホウ酸と単糖類の水相での錯体の生成熱を計算し,実測した安定度定数と比較した.この場合,ピラノース(六員環)型あるいはフラノース(五員環)型のいずれの構造の糖がフェニルホウ酸との錯形成に寄与しているかは明確にはできなかったが,その糖との選択性の順序は十分に説明できた.
次にフェニルホウ酸と四級アンモニウム塩による単糖類の溶媒抽出に関して,混合有機溶媒中での生成錯体の生成熱を計算し,実験的に得られたみかけの抽出平衡定数と比較したところ,良好な相関関係が得られた.また抽出平衡定数では四級アンモニウム塩の構造変化に伴う選択性の変化を予測することが可能であった.このように計算化学的手法を援用することにより,抽出挙動を定量的に予測することが可能となった.

Copyright © 2006 公益社団法人 化学工学会

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