化学工学論文集
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反応工学
環状シロキサン加水分解触媒の性能評価
吉井 泰雄菅野 周一松原 宏文川嵜 透原 賢二福岡 淳
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2014 年 40 巻 5 号 p. 420-424

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抄録

沸騰水型原子力発電システム用の再結合触媒を環状シロキサン(D類)被毒から保護するために,再結合触媒の上流に設置する規則メソ多孔体(Zr-SBA15およびTi-SBA15)を担持したハニカム触媒のD5加水分解性能におよぼす諸因子の影響を評価した.D5加水分解反応の除去率は,滞留時間に大きく依存し,反応温度,触媒担持量(50–150 g/L)の影響はほとんどなかった.線速度2.9 m/s,ハニカム高さ120 mmでは423–523 Kの温度領域でD5除去率は0.95という高い値を示した.本反応系でのD5除去率は1次反応式と頻度因子を線速度の関数としたアレニウスプロットから予測可能である.DSS連続試験での性能低下はTi-SBA15はZr-SBA15に比べて低く,耐久性の点からはTi-SBA15が有望である.

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© 2014 公益社団法人 化学工学会
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