化学工学論文集
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分離工学
焼結金属フィルターの菌体粒子捕捉特性におよぼす媒液の影響
向井 康人裴 海燕井上 正浩佐藤 康行藤井 亮児赤地 利幸加藤 寛之
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2015 年 41 巻 2 号 p. 113-120

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抄録

焼結金属フィルターによる微粒子懸濁液の濾過特性におよぼす媒液環境の影響を明らかにするため,菌体の一種であるBacillus atrophaeusを種々のpHの水や種々の濃度の有機溶媒水溶液に分散させて試料液とし,焼結金属フィルターによる濾過実験を行い,粒子捕捉性能の指標となる菌体粒子の対数減少値LRVを測定した.水系において,pHが小さいほど,フィルターと菌体粒子のゼータ電位の絶対値は小さくなり,フィルターと菌体粒子との間の静電的反発力は減少した.また,有機溶媒水溶液系についても,有機溶媒濃度が大きくなるにつれて,フィルターと菌体粒子のゼータ電位の絶対値は小さくなり,さらに液体の誘電率も減少するため,フィルター–菌体粒子間の静電的反発力は減少した.その結果,菌体粒子はフィルターに阻止されやすくなり,LRVは増加する傾向を示した.また,フィルター–菌体粒子間相互作用をDLVO理論に基づいて解析し,LRVとの定量的な関係について考察した結果,焼結金属フィルターの菌体粒子捕捉特性は,フィルターと菌体粒子との間に働く界面化学的相互作用によって総括的に説明することができることを明らかにした.

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© 2015 公益社団法人 化学工学会
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