化学工学論文集
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熱工学
湿潤褐炭粒子の流動層における伝熱特性
有馬 謙一福田 憲弘高島 竜平香月 紀人澤津橋 徹哉木下 正昭石井 弘実
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2015 年 41 巻 2 号 p. 140-147

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抄録

世界の可採石炭埋蔵量は約9000億トンであり,約半分は亜瀝青炭,褐炭などの高水分炭と言われている.特に褐炭では重量の半分近くが水分であるため,褐炭を高効率かつ大容量で予備乾燥させ,発電効率を向上させる技術が望まれている.蒸気を流動化ガスとする流動層乾燥方式は潜熱回収が可能であり,高効率な褐炭乾燥法に適していると考えられる.蒸気流動層乾燥装置では層内伝熱管に飽和温度150˚C程度の水蒸気を供給して褐炭粒子を間接加熱し,乾燥させる.ところが,褐炭粒子は幅広い粒度分布を有するとともに水分含有率が高く付着性を有しているため,蒸気流動層乾燥装置の設計においては,流動特性とともに伝熱特性を精度よく評価する必要がある.
本研究では,窒素を流動化ガスとする基礎試験装置により,水分含有量の異なる2種類の褐炭を用い,流動化ガス速度,層内伝熱管のピッチを変化させて,管外伝熱係数への影響を把握した.さらに,伝熱面積の増加を目的に伝熱管にフィンを取りつけ,フィン間隔を変化させ,その効果を把握した.その結果,管外伝熱係数は粒子の見かけ密度と粒径を水分含有量の関数として与えることによりAndeen and Glicksmanの式で予測できること,伝熱管密度が大きくなったときの管外伝熱係数は付着性のない粉体ではやや増加するが,付着性のある粉体では低下すること,伝熱管フィン有効度はフィン表面伝熱係数が平滑管表面の伝熱係数と同一であると仮定して計算した値に比べると小さいことを明らかにした.

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© 2015 公益社団法人 化学工学会
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