化学工学論文集
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反応工学
平板状石灰石の硫酸および亜硫酸への溶解機構
田中 大輝伊藤 宜司小川 ひろみ谷口 尚司溝口 忠昭
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2015 年 41 巻 5 号 p. 326-332

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抄録

本研究では,湿式排煙脱硫法の主要な過程である石灰石の硫酸,亜硫酸への溶解機構を解明することを目的とした.まず界面積の明確な平板状の安息香酸試料を用いて実験装置の物質移動特性を明確にし,その後平板状の石灰石を撹拌槽内の硫酸,亜硫酸および石膏で飽和した硫酸に溶解させ,その溶解速度と撹拌速度などの各種因子との関係を解析した.その結果,石灰石の硫酸への溶解速度は境膜内拡散過程で律速されており,領域I (CH2SO4<2×10-2 mol·m-3),領域II (2×10-2<CH2SO4<5 mol·m-3),領域III (5<CH2SO4<100 mol·m-3) のそれぞれで,溶解は石灰石成分の固体表面からバルクへの拡散,硫酸のバルクから固体表面への拡散,石灰石表面に晶出した石膏成分の固体表面からバルクへの拡散によって律速されることが明らかとなった.亜硫酸では,石灰石の溶解速度に影響するような晶出物は生成せず,溶解速度は亜硫酸のバルクから固体表面への拡散によって律速されていることが明らかになった.石膏で飽和した硫酸への石灰石の溶解速度は,領域IおよびIIのいずれにおいても硫酸の拡散によって律速されていることが明らかになった.

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© 2015 公益社団法人 化学工学会
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