大型翼を備えた通気撹拌槽の所要動力特性を論じた論文は極めて少ない.物質移動特性もその翼独特の物質移動容量係数を測定した論文はあるものの相関式までには至っていない.本研究では大型翼を用いた場合の通気動力と物質移動容量係数を測定した.大型翼はキャビティができにくいので通気による動力低下が少ないことがわかった.また,空気–水系の場合の物質移動容量係数は,単位体積当たりの動力を基準とした佐藤らの相関式(1989)で相関でき,粘度が高くなると,完全層流域ではない流動状態では平岡らの相関式(2003)で推算可能であることがわかった.