2017 年 43 巻 1 号 p. 16-21
大気圧プラズマジェットから生成される電荷を用いて,連続供給される粒子を誘電板上で帯電させる実験を行った.1 SLM(標準状態1 L/min)のヘリウムガスを供給し,6 kHz, 5 kVの交流電圧に−5 kVから+5 kVの直流バイアス電圧を加えて大気圧プラズマジェットを生成した.直流バイアス電圧の変更によって,プラズマ中から正あるいは負の電荷を任意の割合で抽出し,誘電板の表面に均一に付与した.誘電板上の表面電荷密度は,表面電位で評価した.傾斜した誘電板上で粒子を移動させると,粒子は誘電板上の電荷に応じて帯電した.粒子の帯電は,粒子の初期電荷に依存するが,誘電板の材質や外部電場の影響を受けないことがわかった.