化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
[特集]未来を担う環境化学工学
木質バイオマスの好気性発酵速度におよぼす温度,含水率,C/N比の影響
高橋 伸英望月 俊増田 顕澄嶋田 五百里長田 光正福長 博
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2017 年 43 巻 4 号 p. 231-237

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抄録

本研究では,現状の化石系燃料によるハウス暖房から脱却し,木質バイオマスの発酵熱を暖房熱源として利用することを目指し,発酵試料の温度,含水率,C/N比が木質バイオマスの発酵速度におよぼす影響を調査した.カラマツのかんなくず,窒素添加材である発酵鶏糞,微生物供給材を混合したものを発酵試料として用い,2 Lのアルミ製反応容器に充填し,強制通気を行いながら所定の温度に保持した.反応容器通過前後の酸素消費速度から発酵速度を評価した.その結果,C/N比70の場合,温度40°C,含水率60%のとき最も高い発酵速度が得られた.また,13, 20, 70の異なるC/N比で発酵実験を行った結果,C/N比の低下にともない木質バイオマスの単位質量当たりの発酵速度は上昇したが,混合試料の単位質量当たりの発酵速度は必ずしも増大しなかった.これはC/N比を下げるためには発酵鶏糞を多量に添加する必要があるためである.発酵ガス中の酸素と二酸化炭素濃度から,消費された酸素はほぼ100%二酸化炭素に転換されており,好気性発酵が良好に起こっていることが示唆された.また,暖房に必要な発酵試料の量,および装置体積を推定した.

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© 2017 公益社団法人化学工学会
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