工業温排熱を利用して高温蒸気を生成する蒸気生成器の性能試験を行った.本研究では,既報のラボスケール生成器を拡大した円筒型のベンチスケール生成器,および,実用化を視野に入れたスケールアップ生成器を構築した.ベンチスケール生成器で,大気圧下における蒸気生成時の温度分布を計測した結果,供給水の液面位置を境界として,上側は蒸気吸着による高温状態,および下側は給水温度から飽和温度の状態を確認できた.寸法および充填構造の異なる生成器を用いた蒸気生成試験の結果を比較した結果,吸着材質量当たりの生成蒸気量は,再生時に供給する空気熱量とともに増加して,再生空気温度に応じた上限値に漸近することがわかった.また,再生空気温度が同じ場合でも,吸着材質量当たりの容器熱容量の小さい方が,吸着材質量当たりの生成蒸気量が大きくなった.