化学工学論文集
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プロセスシステム工学,安全
モデル予測制御に基づく積分プロセスのサンプルI–P制御設計
竹田 浩伸 山下 善之
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2018 年 44 巻 3 号 p. 201-206

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抄録

モデル予測制御理論に基づいた積分プロセスに対するサンプルI–Pコントローラの設計方法を提案した.導出された本コントローラの構造は比例先行型のI–P制御の単純な形式に帰結した.この方法はPFC(Predictive Functional Control)にも応用可能である.本制御則は,その導出において積分プロセスモデルをモデル予測制御の基本的な形態である1段予測の形式で表現することで得られる.本提案手法ではコントローラの比例項は制御量変化を止め,積分項は目標値への収束速度を決める役割を担う.またパラメータ設計において,比例ゲインはプロセス積分時定数と制御周期の比に比例した設定とするため,応答の遅いことが多いプロセス産業分野の積分プロセスの制御においては,過大な比例ゲイン設計値を避けられる制御周期が離散的で長いサンプル制御の用途に適している.実プラントのデータを参考にして設定した代表的特性の積分プロセスモデルに対してサンプルI–P制御のシミュレーションを行い,参照軌道への追従性能を確認した.参照軌道の時定数を制御周期よりも長く取れば,目標値変更に対してオーバーシュートなく追従した.さらに実際の化学プラントにおいて,著しく応答が遅いために制御が難しいプロセスに,本設計に基づくサンプルI–P制御則を応用して良好な結果を得ることができた.

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© 2018 公益社団法人化学工学会
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