化学工学論文集
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プロセスシステム工学,安全
クラスターサイズを考慮したART2によるプラント性能評価システム
堀 嘉成 白石 朋史長谷部 伸治
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2019 年 45 巻 3 号 p. 127-132

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抄録

データクラスタリング技術を用いたプラント性能評価システムを提案した.本システムは,プラント効率などの評価指標(Key Performance Indicator; 以下,KPIと呼ぶ)が紐付けられた運転データを解析するものであり,KPI付データ分類機能および分類結果可視化機能からなる.KPI付データ分類機能では,プラントの運転データをART2により複数のカテゴリーに分類し,分類したカテゴリーとプラントのKPIの関係を対応付ける.カテゴリー毎に警戒係数ρを設定できるART2を用いることで,必要以上にカテゴリー数を増加させることなくデータの分類が可能となる.その結果,未学習データの分類性能が大幅に向上することがわかった.また,分類結果可視化機能では,カテゴリーとKPIの関係を3次元グラフで可視化する.3次元グラフのz軸はKPIで,xy平面は,カテゴリーの重心を多次元尺度法(MDS)で擬似的に2次元平面上マッピングしたものである.これにより,各カテゴリーのおよその位置関係およびKPIとの関係を直感的に把握できる.これらの機能のプロトタイプを作成し,テストデータにより本機能を検証した結果,プラントの運転データとKPIとの関係をモデル化でき,その結果を可視化できることを確認した.

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© 2019 公益社団法人化学工学会
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