新規かつ単純な構造の渦巻き状移動機構を内部に有する水平回転円筒炉を,廃棄物やバイオマスのガス化装置として提案した.本炉内では,内部が移動機構によって二室に分割される.本炉は粒子を両室間で循環移動させながらも,移動機構内部の粒子によって,両室中の気体の混合は抑制(気体シール)することが可能である.これをガス化に応用してガス化および燃焼室を分離すれば,外部からの加熱を行うことなく,窒素で希釈されない中/高発熱量ガスを生成することが可能となる.本研究では,この新規回転炉の開発に当たり,コールドモデルを用いて機構内の粒子挙動に関する基礎検討を行った.その結果以下が明らかとなった.熱の移動速度に関係する粒子の移動速度は渦巻き構造の出口径が大きくなるとともに増大する.一方,気体シールを形成させるためには渦巻き構造の出口径を入口径に比して小さくし,少なくとも1巻き以上一定幅の流路を確保することが必要である.よって,気体シールを形成できる範囲内でできるだけ出口径を大きく設計することが好ましい.