化学工学論文集
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環境
亜鉛めっき排水由来の層状複水酸化物によるほう素吸着材への適用の検討
榎本 大佑 田熊 保彦森久保 諭柳田 さやか小坂 幸夫
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2023 年 49 巻 6 号 p. 184-190

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抄録

亜鉛めっき排水を原料とした層状複水酸化物(LDH)を合成し,ほう素吸着材への適用可能性を検討した.実排水として利用した亜鉛めっき水洗水中には硫酸イオンが高濃度に含まれており,ほう素吸着能を阻害することが想定されたため,硫酸イオンを添加した模擬排水を用いて最適な合成条件を模索した.原料となる排水中に硫酸イオンが多量に含まれる場合には,得られるLDHのほう素吸着能は低下することが示唆された.しかし,pH調整時に炭酸ナトリウムを用いて炭酸型LDHとし,450°Cでか焼することにより層間の炭酸イオンを取り除くことで,炭酸型LDHの酸化物(LDO)が得られ,硫酸イオン含有量が低下するとともにほう素吸着能が向上することが確認できた.実排水を原料とした場合にも,450°Cでか焼して得られるLDOは模擬排水の場合と同等のほう素吸着能を示したことから,硫酸イオン以外の夾雑物質の影響は軽微であり,亜鉛めっき排水の有効利用法として期待できる.

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© 2023 公益社団法人化学工学会
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