2025 年 51 巻 3 号 p. 64-67
本報では,機械学習のベイズ最適化(BO)を利用して,単純コアセルベーション法によって100 µmから200 µmの粒子径を有するマイクロカプセルを調製するための実験条件最適化の効率化を目指した.コアセルベーションカプセルはマイクロカプセル調製法として広く利用されているが,目的とする物性を有するカプセルを調製するためには,多数ある実験条件(パラメーター)を最適化しなければならず,その省力化対策は重要である.そこで,パラメーターの最適化をベイズ最適化によって行った.パラメーターとしては温度,カプセル壁の構成成分である高分子(ゼラチン)の濃度,高分子の相分離誘起材(硫酸ナトリウム)水溶液の滴下量,硫酸ナトリウム水溶液滴下速度を採用した.異なる7種の条件により得られたトレーニングデータでは,目的の粒子径を有するカプセルの割合は0–21±3%であったが,わずか4回のBO操作により,その割合を34%まで向上できた.このようにBOは,単純コアセルベーション法によって目的の粒子径を有するマイクロカプセルを調製するための効率的なパラメーター最適化法として有用であった.