化学工学論文集
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環境
自動車工場から排出される塗装廃液の藻類培養へのリン・窒素源としての利用
末永 俊和武田 祥弥Asrizal Ahmad Anggriyanto中井 智司 西嶋 渉後藤 健彦田中 博己有村 恒星前田 真一郎
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2025 年 51 巻 5 号 p. 154-160

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抄録

自動車工場の塗装プロセスから発生する塗装廃液は,高濃度のリン酸や硝酸を含むが,NiやZn等の金属やフッ素イオンも含んでおり未利用であった.本研究では,藻類バイオマス生産のための栄養塩としの塗装廃液の利用可能性を評価した.まず塗装廃液からCa(OH)2やNaOHを用いて金属やフッ素イオンを除去した塗装廃液(Pw9)を作成し,リンを加えないCarefoot培地に同培地のリン(6.84 mg-P/L)相当分のPw9を添加した培地(C-P+Pw9),リンや窒素を加えないCarefoot培地に同培地の相当分の窒素(40.6 mg-N/L),相当分以上のリン(41.3 mg-P/L)を加えた培地(C-PN+Pw9)を準備して藻類の培養試験に供した.これらの培地において,藻類の増殖が認められ,Pw9は藻類培養のリン源,窒素源として利用できることが確認された.しかしながら,両培地で藻類の最終増殖量は対照系におよばず,増殖阻害が認められた.C-P+Pw9へのキレート剤の添加により増殖阻害が消失したこと,C-P+Pw9にリン酸を5 mg-P/Lにて加えると増殖阻害が消失したこと,さらにC-P+Pw9でのフッ素イオン濃度では藻類の増殖阻害は生じないことが確認され,Pw9による増殖阻害因子はリン酸の利用を阻害する金属であることが示された.また,Pw9による阻害効果はC-P+Pw9の初期pHを8.2から7.0に調整することで軽減できた.なお,リン濃度が6.84 mg-P/LであるC-P+Pw9にリン酸を5 mg-P/L加えると増殖阻害効果が消失したことから,藻類培地に用いるP源のすべてではなく一部をPw9に置き換える手法がPw9の効果的な利用法になりうると考えられた.

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